先物取引とは
先物取引とは、価格の変動が予測される商品について、未来の売買を現時点であらかじめ約束をする、いわゆる予約販売取引の事です。
先物取引は、
江戸時代の米市場から起こったと言われています。
当時、米は経済基盤となっていましたが、その生産量は天候などに左右され、毎年一定ではありませんでした。
そのため豊作であれば
米の値段が安くなり、不作ならば高騰します。
これでは、経済が不安定となるため、あらかじめ米が出来たらこの値段で売買すると約束する形の取引が始まったのです。
先物取引の目的には2つあります。
1つは前もって売買の数量や価格を決めておくことによって、価格変動リスクを回避することです。
もう1つの目的は、この価格変動リスクを利用して利益を得ることにあります。
例えば、ある商品を10,000円で買う約束をしたとします。
約束の期日が来た時点で、この価格が変動し12,000円になっていたとします。
すると、現在価格12,000円の商品を
10,000円で購入することができ、2,000円安く手に入れることが出来ます。
ところが、約束の期日が来た時に8,000円に値下がりしていたとしたらどうでしょう?
現在価格が8,000円であっても約束の値段が10,000円であれば10,000円で買わなくてはいけません。
この場合2,000円の損失ですが、
価格が高騰しすぎて購入すること自体が出来ないというリスクを回避しているのです。
これが、先物取引のしくみです。
実際の先物取引では、当初の予約に対して、
決済日までに反対取引を行い、生じる損益だけをやり取りする差金決済で行われます。
このように、商品の受け渡しを行わず、買う権利及び義務を売買しているのが先物取引です。