「見せ板」とは?
見せ板とは、約定する意思がないのに大量の買い注文や売り注文を出して、相場を操作しようとする行為の事です。
これは、金融商品取引法で禁止されている行為で、違反者には刑事罰の対象になりますが、注文を出した後で注文の取消を行う行為そのものは、通常の取引でもあり得る行為なので、摘発が難しい側面もあるようです。
日経225miniをはじめとする先物取引や現物株取引では、板を見ながら売買のタイミングを計ることが一般的です。
見せ板はそれを利用して、別の売買注文をぶつけて安く買い抜けたり、価格を維持したり、価格を吊り上げたりする目的で、約定の意思がない大量の買い注文や売り注文を出すことで、他の投資家がそれよりも高い買い注文や売り注文を出すことを誘います。
もっとも多い手口は、株を安く買い抜ける見せ板です。
これは、ある価格で株を売りたいと思っている人が、
売りたい価格よりも下値に大量の買い注文を出すことで買い板を厚くします。
買い時だと判断した人が買い注文を出し、目的の株価まで値上がったところで売り注文を行い目的の取引が約定したら、大量の買い注文を一気にキャンセルしてしまいます。
このような見せ板には、当然ある程度の資金力が必要になるため、
個人投資家レベルで行われることはあまりなく、その分手口が巧妙です。
見分ける確実な方法はありませんが、上値を抑えつけたり、
下値を支えたりしているような不自然な大量注文には注意するようにしましょう。